ポストモダン解析学を読んでいたら、イプシロンデルタ論法の性質で単独でまとめられてもいんじゃねって思ったのがいくつかできたので書きます。多分、微分積分の教科書の行間埋めに役立つんじゃないかと。「かつ」は楔(くさび)の記号で表わしてます。あと、PとかQとかは、括弧のなかの文字の関係について述べる*1命題をさします。
2つのイプシロンデルタの式を結びつける
lをnとmとのうち、大きいほうをとれば満たされる。2つ以上のイプシロンデルタの命題を結びつけてひとつにしたいときに使う。たとえば、実数列がと収束するとき、
を示せ、みたいなときにつかえるはず。
「小さい」のイメージ
fは常に0以上として、とすると、がなりたつ。
よく教科書とかにしれっと書いてある、「εは十分小さいので、としてよい」みたいなやつの根拠になる。そこで示せたなら、このことによりそれより大きいところは自動的に証明されたことになる。
イプシロンを加工してよい
例えばなりゆきでとかで最後の評価をしてしまったときとかに使える。さっきのと組合せて。
訂正
特に、
要するにいくらでも縮むもので差を抑えられれば、εで直接に抑えなくてもいいという話。なりゆきでで抑えちゃったときとかの合法化に使える。あと、εで抑えるところではかかを気にしなくてよい、ということも保証する。
全称と存在の交換
一様連続性から普通の連続性まで情報を落して使うときに。
*1:使わない文字があってもよいが、他の変数には依存しない